鬼滅が「どうでもいい」から「嫌い」になった話

鬼滅が好きな人は多分これ以降の文章を読んだら不快になるかもしれないですが、それでもいいよって人は読んでください。

以降の文章はあくまで私の個人的な意見であって、他の誰かや考え方を否定したり貶したりするものではありません。ということを念のため書いておきます。

もう何か月も前からずっと、どこに行っても何を見ても鬼滅鬼滅鬼滅で本当にウンザリする。

いや流行ってるのはわかるよ。そんで実際面白いんだとも思うよ。でもさすがに鬼滅ばっかりすぎて嫌になるわ。

別にもともと鬼滅が嫌いだとかそういうことはなかった。完全にフラット。完全にニュートラル。強いて言えば、ストーリーは王道っぽいけどまぁ面白そう。絵柄はちょっと私の好みではない。瞳の真ん中にハイライトがあるような絵柄も個人的に好きじゃない。観測範囲でボーイッシュなキャラがいない。かわいいキャラもかっこいいキャラもいない。ので読もうとも見ようとも思わない。そんな感じだったので、まぁ別にどれだけ流行ろうと廃れようと全く私には関係ない作品だと思っていた。

ただ鬼滅は社会現象になって爆発的に流行して、注目度が集まる、もっと簡単にいうと金が集まるのでこぞってメディアやTVが取り上げるでしょう。で、連日話題になるでしょ。TwitterとかYouTubeであれば、ある程度私の好みとマッチしたコンテンツのみにフィルタリングできるんだけど、TVはどのチャンネルにしても鬼滅鬼滅鬼滅鬼滅言ってて逃げ場がないんですよね。チャンネル変えたら鬼滅、変えたら鬼滅、変えたら鬼滅…。ずっとその繰り返し。

そうやって過剰に押し付けられて生活に浸食してきたから私は鬼滅がハッキリと嫌いになった。無関心だったのですが、過剰に推されて、押し付けられて、もうマジで見るのも聞くのも嫌ってくらい嫌いになった。

正直そうなる前は、まぁ自分もクリエイターだし流行しているコンテンツだから、興味ないとはいえ一応アニメくらい見ておくかと思っていた時期もありますが、もう絶対見ないと思う。

私がテレビ見るのなんて、普段は平日朝の時間にちょっと見るくらいなんだよね。別に特定の番組という訳ではなくめざましテレビだったりZIPだったりするけど、別に真剣に見てる訳でもなくBGM程度に聞き流しているだけ。時間にして10分くらい。

その10分で何回「鬼滅」出てくるんだよ、マジで異常だと思う。限られた時間で何回鬼滅ワード出せるかのチャレンジとかでもやってんのかな。スポンサーから提示された条件が、この尺でN回以上鬼滅ワードを出すこと、みたいなことだったりすんのかな。もし『鬼滅ワードを一切出さないこと』を条件にスポンサーになる企業があったら俺は一生その企業を尊敬するね。

最近はTV側も、コロナ禍ですっかり制作費が厳しくなっているらしいので、喋ってるだけor簡単なテロップのっけるだけで勝手に視聴率稼いでくれる鬼滅最高!くらいに思っているのかもしれないが(実際はそんなことないだろうけど)、さすがにこれちょっとどうにかならんかなぁ。

まぁ子どもに手がかかる親御さんたちは、鬼滅を連呼してるTV見せとけばおとなしくなって楽になったりするのかな?アンパンマン的なポジション?そういう副次的なメリットもない訳じゃなさそう。あと私はもともとTV嫌いで全然見ないし、ニチアサも配信版で見るから別に私がTV嫌いになろうが鬼滅嫌いになろうが誰も困らないのでいいんだろうけど。

あとはなんだろ、鬼滅声優みたいな言い方もなんかムカつく。なんかそれまでの実績を全部否定して「鬼滅がヒットしたから有名になった声優」みたいな言い方をしてる気がして嫌い。そういう意図はないかもしれんが、私は性格がひねくれているのでそう受け取ってしまう。

たとえば鬼頭明里さんはやっぱりアルちゃんや乃愛ちゃん、夏帆やもんもやさゆさゆのイメージがあって、真っ先に来るのが禰豆子というイメージではないんだよなぁ。もちろん禰豆子も彼女の演じたキャラクターの一人であって、その実績自体は素晴らしいんだけど、他に演じたキャラを全部差し置いて「鬼滅声優」っていう言い方にするのはちょっとなんか、やっぱり見てて嫌だ。個人的にはアルちゃん乃愛ちゃんの印象がかなり大きい。

ラブライブ声優みたいな言葉があった時も思ってたけど、「〇〇に出演してる声優さん」みたいな意味に対して付加的に「〇〇がヒットしたから有名になった」みたいなニュアンスがついて回るじゃないですか。もちろんそれも有名になった一因であって、その経歴自体も素晴らしいんですけど、他にもいろんな努力や縁があったはずなのにその「〇〇」に集約されてるっぽくて嫌だ。

たとえば私が流行りの作品の二次創作イラストを描いて有名になったとしましょう。それは、もちろんその作品を描いたのが有名になった直接のきっかけかもしれんけど、そこに至るまでにたくさん練習したり努力したりしてる訳なんだよな(自分で言うのも変ですが)。それを蔑ろにして「〇〇描いたからバズったんでしょ?」とか言われたらあまりいい気はしないだろうと思う。だって全然絵を描いたことない人よりは上手い自信あるもん…。優劣とかマウントとかそういう話はしてなくて、あくまで経験とか努力とかがあってこそのアウトプットと結果だよね、という話をしている。

ともかく私はそういう考え方でいるので、鬼滅声優という言葉や使われ方は好きではない。繰り返しになるが鬼滅に限った話ではなく、ラブライブ声優とか、他の〇〇声優という言葉も同様に好きじゃない。

テレビ見なかったら鬼滅も見ないで済む、みたいな状態であれば別にど~~~~~でもいいんだけど、コンビニに鬼滅コラボの商品が並ぶでしょ?ハイハイ。自販機に鬼滅缶とかいうふざけた名前のコーヒーだかジュースだかが並ぶでしょう。ハイハイ。そうやって私の生活に浸食するのをやめてほしいなって思ってるんだよなぁ。鬼滅嫌いより鬼滅好きの方が多いかもしれんが、ちょっとは鬼滅嫌いにも配慮してくれよ。と思う。押し付けないでくれよ。頼むからさ。

まぁでも私が鬼滅嫌いだから思うのであって、たとえば近所のローソンには仮面ライダーの一番くじとかが堂々と目立つところに置かれて宣伝されてたけど、あれも仮面ライダーが苦手な人や嫌いな人からしたら嫌だったんだろうな。仮面ライダーのパッケージの缶ジュースとか並んでたりしたけど、あれも苦痛だったんだろうなぁ。私は仮面ライダー好きだから一切に気にならなかったけど、苦手な人からしたら苦痛そのものなんだよな。今になって、なんかそういう人の気持ちもわかるようになった気がするわ。

幸い私の周りには「鬼滅見てないの?なんで?バカなの?」「鬼滅が嫌いってギャグ?だとしたら笑えないんですけど」みたいに言ってくる人はいないが、そういうのが周りにいる人はマジで大変そう。私だったらマジギレすると思う。なんか大人は冷静でなければならないと言われがちだと思うが、私は一概にそうではないと思っていて、ちゃんとキレて然るべきところではキレるべきだと思うし、大声で怒鳴ることが常に悪という訳でもないと思う。じゃないと舐められて付け上がられて最終的に窮屈な思いをするのは自分だから。私は人間が出来ていないので、自分が窮屈な思いをするくらいなら、その原因を作ってくる奴の人格を否定しまくって不快にさせる方を選ぶ(法律が許す範囲で)。その後そいつがどうなろうと知ったことじゃない。そもそも「見てないの?バカなの?」と人の価値観に土足で踏み込んでくるようなアンポンタンに対して配慮することも温情をかけることも必要ないと思っている。ギリギリ理性を働かせて、手を出したらアカンと踏みとどまるとは思うけどね。

こういうことを言ってくるのを「キメハラ(鬼滅ハラスメント)」と言ったりするそうで、その「キメハラ」という言葉に対して「そんなことでハラスメントと言っていたら、本当に深刻なセクハラやパワハラも軽いものになってしまう」というような意見を見たが、この意見も私は承服できない。何故か。

「そんなこと」みたいな言い方が気に入らないからだ。そんなことってなんだよ。いやマジで思うわ。だってセクハラも、たとえば職場にヌードとか水着のグラビアのポスターが貼ってあったりしても、昔は「そんなこと」と言われるようなことだったんじゃないの?それを必死に先人たちが声を挙げ続けて『「そんなこと」じゃなくてこれはセクハラなんです。大勢の人が不快に思っているんですよ』と表明してきたからこそ、セクハラとして認知されている訳じゃん。「自分から見たら『そんなこと』でも、被害者はとても困っているよ。だから声を聞いて自分の手足の届く範囲で意識を変えていこうね」っていうことなんじゃないの?なにが「そんなこと」だよふざけんなボケ、と思う。

はぁ。

なんかまたまとまりのない文章になったがまとめると、「コンテンツ飽和して皆が自分の好きなコンテンツにどっぷり浸かれる、可処分時間絶対足りないマン/ウーマンが大量発生している」現代において、一つのコンテンツをゴリ押しされるとそれに辟易してストレスになるしマジでしんどいのでやめてほしいな、ということである。そしてちゃんと調べたわけじゃないけど同じ理由で「鬼滅興味ない」から「鬼滅嫌い」になった人も結構多いと思う。これは予想だけどね。

ピンと来ない人は、たとえば毎朝知らないおじさんに「如何に〇〇が素晴らしいか」「なんで〇〇やってないの?」(〇〇はあなたが興味のないもの)を延々と延々と語られるのを想像してみてほしい。そのおじさんも〇〇も嫌いになるだろうし、それと同じ感じだと思う。

私は鬼滅嫌いだがアンチというほどではないと自分では思っているので、鬼滅が好きで楽しんでいる皆さんは尊重するし、わざわざ鬼滅の悪口を探したりはせんし(目に入ったら同調するかもしれないけど)、公式に文句をメンション付けて垂れ流したりもしません。ただ嫌いというだけです。ありがたいことにこの感情は自己完結しています。

「いやいや、こんな記事を書いている時点でアンチなのでは?」と思われるかもしれないが、これは別に鬼滅のネガキャンではなくただの私の意思の表明である。内容も「鬼滅のここがダメ!」ではなく「鬼滅のこういうところが(私は)嫌い」と書いているつもりだ。もちろん鬼滅嫌いな人すべてに共通する内容でもないと思っている。サンプル数1のジャスト私の話。嫌いだからネガキャンしようなんて思わないし、仮にネガキャンしたところで私の発信力だとたかが知れているしね。