【夢日記】車上荒らしをしまくる夢

車上荒らしをしまくる夢

現実世界より5歳くらい若かった。私は働いておらず遊んで暮らしていた。一人暮らしだった。なぜか生活には困っていなかった。街を歩いていると、「お野菜百科生活」というロゴが描かれている車が違法に路上駐車する瞬間を目撃した。お野菜百科生活というのはUber Eatsのようなフードデリバリーサービスで、夢の中では誰もが利用しているサービスだった。お野菜百科生活と銘打っているがベジタリアン向けのサービスという訳ではなく、普通のフードデリバリーだ。

車から配達員が降りてきた。ピザの箱のようなものを持っている。すぐ傍のマンションだかアパートだかの客に届けるところなのだろう。キーを挿しっぱなしにしている。どうせすぐ戻るからキーもそのままでいいし路駐もしてしまえという魂胆なのだろう。嘆かわしいことこの上ない。

私は何を思ったか、その車の運転席に乗り込んだ。助手席には他の料理がいくつか積まれているので、それを少しつまみ食いしたあとキーを抜いて車から降りた。施錠して物陰で配達員が戻ってくるのを待っていた。どういうリアクションをするのか見てみたかった。2分ほど経ってから配達員が車に戻ってきたが、車は施錠してある上に助手席は荒らされている。配達員はパニックになっていた。路駐してキーも放置するからだ。ざまみろ。という調子で私は配達員が困っているのを心の中でさんざんバカにして笑った後、キーをその辺に放り投げてその場から立ち去った。

数時間後、速報としてお野菜百科生活の車が荒らされたというニュースが発表された。ネット上では様々なコメントが飛び交う。「鬼畜過ぎてワロタ」「いや他の客に届るものがあるなら面倒でもキーはちゃんと抜けよ」「これお野菜側も日ごろから違法路駐してるのを認めたようなもんか」「誰だか知らんけど、自分も路駐は邪魔だと思ってたのでこれはある意味スッキリ。でも自分が注文したやつだったらキレ散らかすと思う」といった調子で、意外にもお野菜百科生活側の落ち度を非難するコメントが目立っていた。

私はいい気になって、その後もお野菜百科生活の路駐を見かけては、隙を見て車上荒らしを行った。現金などを奪うのではなく、あくまで他の食品をつまみ食いした。そういうことを5~6件繰り返して、さすがにそろそろ捕まるかもしれないなと意識した瞬間、とてつもない恐怖に襲われた。今まで変なテンションでやっていたが、これは明らかに犯罪行為だ。もう警察にはマークされているかもしれない。事実、いつもより警察官やパトカーとすれ違うことが多い気がする。私の周りを張っているのかもしれない。そう考えると、すれ違う人が全員私服警官で私のことを監視しているように見えてくるから不思議だ。私がボロを出すと、あっという間に逮捕されるに違いない。

そういうことを考えながらとぼとぼと歩いていると、歩道に一万円札が何枚か落ちている。正直なところネコババしようと頭をよぎったが、ここでネコババしようものなら逮捕されて、そのまま車上荒らしの件まで尋問されるに違いないと考えた。どうせならこれを近くの交番に届けて「いいこともしてますよ」アピールをした方が良いなと思った。交番に行った時点で車上荒らしの件で逮捕されるかもしれないと思ったが、数時間も経って何人もの警察とすれ違ってなお職質すらされていないことを見ると、警察はまだ決定的な証拠を掴んでいないか、私の犯行だとそもそも思っていないのではないかという淡い期待が浮かび上がった。私は交番にお金を届けることにした。

交番の警察官に促され拾得物の書類を書き上げると、警察は「いや~違法駐車減ってて助かります。がんばってね」と声をかけてきた。やはり、車上荒らしは私の犯行だと気づいているに違いない。しかしがんばってねとは一体どういう了見なのか。おそるおそる顔を上げると、その警察官は唇の前で右手の人差し指を立てながら、左手で一万円札を自分のポケットにしまっていた。おい。