【夢日記】自転車を盗まれる夢(2022.10.03)

自転車を盗まれる夢

何か用事があり、普段あまり利用しない駅にいた。自転車で駅に行っていた。広い駐輪場がある。駅舎に近い方ほど過密に、離れれば離れるほどまばらに自転車が止められている。近い方はほとんど放置自転車のようだ。ほとんど錆びていていてガラクタのようなものが多い。そういうものは何台かまとめてビニールテープで括られている。どうせ放置されていてそれを括っているなら駅から離れた利便性の低いエリアに移動させてくれればいいのにとも思ったが、駅員なのが行政の人なのか、あるいは地域のボランティアの人なのか分からないけどそんな重労働もついてにしてくれよというのはちょっと図々しいかもしれない。

普段あまり利用しないということもあり、駐輪場のどの辺に自転車を置いたか分からなくなったら、探して回るのは大変だなぁ、めんどくせぇなぁ、などと思っていた。幸いにも駐輪場はエリアごとにA-1とかB-4とか、アルファベットと数字の組み合わせの看板が立っておりラベリングされているので、その組み合わせさえ覚えておけば良さそうだ。私はなんとなく覚えやすそうなエリアに二重ロックで自転車をとめた。

場面が変わって、私はその駅での用事を終えて帰るところになっている。自転車をとめたところへ向かうが私の自転車が見当たらない。他の利用者が移動させたのかもと一瞬思ったが、それはないはずだ。地球ロックをしていたからだ。キョロキョロと5分くらい探してみたがどうにも見当たらない。

そういえば私の自転車は盗難対策にチップをつけていたことを思い出した。盗難者が簡単に取り外せないように、サドルを差し込む棒の内側に仕込んでいた。そのチップはスマホのアプリと連携していて、GPSによるトラッキングやアプリからの操作でブザーを鳴らすことができる。さっそく現在位置を調べてみると、駅から数百メートル離れたところを指し示している。この辺りにはほとんど来ないので土地勘が全くないが地図アプリを頼りに歩いていく。10分くらい歩いただろうか。GPSが当初指し示していたところまでやって来たが、見える範囲には私の自転車はないようだ。

私はスマホを操作して、自転車につけたチップからブザーを鳴らそうとアプリを起動した。ブザーがけたたましく鳴り響く。確かにこの近くに私の自転車があるらしい。音のする方へ行ってみるとそこには私の自転車があったのでブザーを止めた。某新聞社の支社のようだ。後輪をロックしていた鍵は大きめの石を何度か叩きつけられ壊されたような痕跡がある。その他にも乱暴に乗られたような形跡が見受けられる。どうやったらそうなるのか分からないが、ハンドルのところにはカッターか何かで引っ掻いたような傷が付けられていた。なんだかこの自転車が可哀想に思えてきた。とりあえず警察に相談するため現場の写真を撮っておこうと、自転車をとめてある場所、後輪の鍵、新聞社の看板などを撮影していると、建物の中から女性が出てきた。40前後くらいの女性だった。その女性が早口で唾を飛ばしながら

「自転車でしょ! あなたの?」

と話しかけてくる。私は薄々うっわぁこいつが犯人かぁ、めんどくさいなぁ、などと思いながらも現場写真の撮影を続ける。女性の問いには肯定も否定もくれてやらなかった。こういう奴とは会話しないに限る。こいつと話すのは警察が来た後だ。警察が来るまではコミュニケーションを取らないと決めていた。これは単純にめんどくさいというのと、飛ばしまくっている唾の射程圏内に入りたくなかったのと、地球ロックをしている自転車を盗むような、肉体的にも精神的にもちょっとヤバそうな人間を下手に刺激して怪我などしたくなかったからだ。私が撮影作業に徹しているとその女性が、

「仕方なかったのよ! どうしても急いでて!」
「あなたも社会人なら分るでしょう?」
「どうしても今日中にやらないといけない仕事があったから仕方なかったの!」
「通報はしないで! 一度話し合いましょう」

などとまくし立ててくる。私はそんな女性を無視して、スマホで警察へ電話した。

「駅で自転車を盗まれました。盗まれた自転車と怪しい人物を見つけました。すぐに来てください」

電話で警察のオペレーターへ、淡々と連絡した。それを聞いていた女性が「あーーーーー!! 終わったーーーーーーーー!!」などと叫んでいる。うるさいので少し黙っていてほしい。
オペレーターが住所を求めてくるが、私はここの住所が分からない。電柱のところで移動して住所を読もうとするが、「熊本県神奈川市群馬町滋賀区・・・」などとめちゃくちゃな住所になっている。
仕方がないのでそのまま伝えると、オペレーターは「はぁ?」と素っ頓狂な声を上げた。そうだよなぁ、意味わかんないよなぁなどと思いながらも「〇〇駅近くの、某新聞社の××支社です」と伝えるとオペレーターも合点したようだった。それを聞いていた女性はまたもや「あーーーーー!!」などと取り乱している。本当にうるさいのでしばらく黙っていてほしい。

間もなく警察が到着した。参考までにと先ほど撮影した写真をスマホごと警察に預ける。警察が色々と作業をしてくれている間に、私は女性と会話することにした。

「なんであの自転車を盗んだんですか?」
「だから、急いでたからって言ってるじゃない」
「でもあの自転車はガチガチにロックしていましたよね。急いでいるならあの自転車をどうにかするんじゃなくて、タクシーに乗るとか迎えに来てもらうとかの方がよっぽど速いと思いますけど……」
「そうなのよ。だから間に合わなかったのよねぇ……」

知るか!