【夢日記】長い夢

連なった長い夢を見たので書いてみる。ここまでの長い夢を見たのは初めてだ。

もしかしたらこれ以前にもストーリーがあったかもしれないが、覚えているところから書いてみる。

私は自宅の最寄り駅にいた。まだ始発前で客はおろか駅員も全然いない。空気がひたすら寒かった。

私はその駅でTwitterのフォロワーさんのH氏と話をしていた。実際に会ったことはなく顔も知らないが、なんとなくそのフォロワーだと確信していた。私の夢にはTwitterのフォロワーさんがよく登場するが、顔も知らないのになぜか特定のフォロワーさんと知っている。そういうことが多い。H氏もその一人だった。

私たちは誰もいないのをいいことに線路へ下りて、線路に腰かけて対面して話している。この自撮りをツイートしたら絶対炎上すると思う。

私たちはスマホについて持論を交わしていた。私の言い分はこうだ。「一つの機種にあれもこれもと求めるのではなく、たとえばiPhoneはバッテリー容量、Pixelはカメラ性能、Xperiaは音質のクリアさみたいに特化した部分を持つデバイスを複数運用して、それぞれのメリットを享受するのが良いのではないか」。これは概ね私の考えと一致している。私がスマホ大好きで常に複数端末を同時運用したいというのもあるが…。

一方、H氏の言い分はこうだ。「それは聞こえはいいが、結局のところそれぞれのスマホで妥協しているにすぎない。それに複数端末を揃えて同時運用するとなれば、総額で考えると高くつく。結局金がある人だけができるやり方だ。だったらハイエンド機種を買った方が安上がりだし満足度は高い」。

この意見もごもっともである。だが、夢の中では私たちは互いにしつこく食い下がり、いかに自分の考えが合理的かを主張し合っていた。

小一時間議論していたが、最終的には互いに「まぁそういう考えもあるよねー」と折れた。H氏は「私の反論はあくまであぱしょにさんの意見に対するものであり、あなたの人格を攻撃したり、否定したりするものではないつもりである。これからも仲良くしてほしい」みたいなことをもうちょっとラフな言葉で言った。私もまったく同意見だと伝えて、円満にこの議論は終了した。

H氏は「そろそろ電車が来るからホームに上がりましょう」と言い、私たちは線路からホームへ上がった。H氏はそのまま帰ってしまった。私はその後通勤することになっていた。別に始発で行く必要は全然ないのだが、なぜかそういうことになっていた。

私はいつも通り電車に乗り込んだ。現実では最寄り駅から職場へは乗り換えの必要がないのだが、夢の中では一度ターミナル駅で乗り換えをしなければならなかった。

電車がターミナル駅に着くと、タイミングよく次に乗る電車の乗り場変更のアナウンスが流れていた。いつもは下りたホームの反対側のホームに既に電車が来ているのだが、その日は一度階段を下りて離れたホームへ向かわなければならないらしい。面倒くさいと思いながらも、仕方ないのでそのホームへ向かった。向かった先のホームには既に電車が来ている。

乗車すると、すぐに電車は出発した。「次はXXX駅~」とアナウンス。私はよく確認せずに乗車したが、私が乗らなければならなかった電車はまだ来ていなかったらしく、今乗ってしまったのは職場とは全く違う方向へ向かうものだった。よく見たら電車の内装も全然違う。路面電車のような造りになっている。

そういえば始発で出勤したハズなのに、なぜかもう出勤時間ギリギリになっていた。とりあえず次の駅で下りて、急いで引き返さなければならない。気が重い。

駅について下車しようとすると、なんと車両の中で清算をする必要があった。しかもSuicaが使えず、現金のみ使用可能だそうだ。運賃は70円。鞄から小銭入れを取り出して中を見ると、500円玉1枚しかない。正直100円玉があれば釣りはいらねぇぜと言って急いで降りたいところだったが、500円は惜しい…。貧乏性の私は備え付けの両替機に500円玉を入れた。100円玉が4枚、50円玉が1枚、1円玉が50枚出てきた。まったくもって意味が分からない。受け取り口から溢れだした1円玉をポケットに入れている間にドアが閉まってしまった。ちくしょう!

次の駅では降りなければいよいよ間に合わない。運賃表示に目をやると、なんと次の駅では510円も必要らしい。えっ、70円から一気に510円?と思った。しかも小銭は500円しかなく、今度はお札を崩さなければならない。しかし私は1万円札しか持っておらず、両替機は5000円札までしか対応していなかった。つまり詰んだ。

すると運転手が、「お困りでしたが後日清算も可能ですよ」と声をかけてきた。出来るのかよちくしょう!だったらさっき言えよ、一円玉を必死に拾ってる私を見てこの人は何も思わなかったんだろうか?

結局後日清算ということで下車したが、特に何か請求書のようなものを渡されたりはしなかった。駅も無人駅で、自由に入退場できた。後日払うかどうかは私の良心次第ということだろうか?なんか試されてるみたいでいい気がしない。こういう時は書面でしっかり縛ってもらった方が、なんとなく気分が良い。

実はこの時点で遅刻は確定していた。仕方ないのでスマホでslackを立ち上げメッセージを送ろうとするが、どうもスマホのフリック入力が上手くできない。「遅れます」と入力したつもりが「むちあれず」のような文字列になっている。全く意味が分からない。音声入力も試してみたが上手く認識しない。だったら電話をしようと思ったが、電話はアイコンを何度タップしても、アプリ自体立ち上がらない。2台持っているスマホのもう一台も同様だった。くそっ、こんなことならハイエンド機種を買った方が安上がりだし満足度も高かった!

仕方がないので私は無断欠勤することにした。こうなればもはや自由の身である。

なんとなくポケモンGOを起動した。これはなぜか普通に立ち上がった。見ると、野生のセレビィが出ている。しかも何匹も出ている。この地へは初めて来たが、セレビィの巣のようなものがあるのだろうか?私は夢中になり乱獲した。そして初めて見たのだが、やたらフィールド上でキラキラしているセレビィがいた。お香を使った時のポケモンに出るエフェクトがあるが、あのような感じでキラキラしているエフェクトがかかっていた。タップしてみると、なんと色違いだった。恐らく色違いだということを示すキラキラのエフェクトなのだろう。

私は戻りの電車が来るまでセレビィを乱獲した後、そのまま自宅へ帰ることにした。最寄り駅から自宅へ向かう通勤ルートで、現実には存在しないが小さな小川が流れていた。そこにはカニがたくさんいた。見た目はサワガニのようだが、サワガニの3倍ほど大きい。よく見ると全く動かない死骸もあった。私はなんとなくカニを見たくなかったので、小川から離れたところを歩いて家に帰った。

家に着くともう昼になっていた。ふとオムライスが食べたくなり、近所の店をGoogleマップで探した。自宅からさほど離れていない場所に専門店があったのでそこへ行くことにした。これも現実には存在しない店だ。入店すると、人の好さそうなマスターに案内された。吉田鋼太郎氏によく似ていて、マイメロのエプロンを着用していた。というか顔は吉田鋼太郎氏そのものだった。開店直後に初見の客が入ってきて驚いた様子だった。テーブル席もあったが、一人だということもありカウンターへ案内された。

オムライスも色々と種類がありトッピングも選べたが、一番オーソドックスなトッピングなしのプレーンオムライスを注文した。いわゆるふわとろのオムライスではなく、昔ながらのしっかりと固焼きしたオムレツが乗っているオムライスだった。食べてみたが普通に美味しい。こんなお店が近所にあったとは。

しばらくすると兄が入店してきた。マスターとも顔なじみのようで、常連だという。私と兄が兄弟だと話すとマスターはとても驚いた。私と兄は似ていないとよく言われている。オムライスは兄が奢ってくれるという。そして美味しいからと言って、追加でチーズのトッピングを注文してくれた。確かに美味しかった。

しばらくすると、聞くでもなくマスターが身の上話をし始めた。マスターは若いころ貧しく、その日暮らしをするのが精いっぱいだったという。ある日空腹のあまり道で座り込んでいると、見ず知らずのアメリカ人がコンビニでカレーを買ってきてご馳走してくれたという。コンビニのカレーですら高級品だった当時のマスターにとって、それは忘れられない思い出になったという。そして、自分も外国人に優しくしてあげようと思ったそうだ。あの日食べたカレーの味が忘れられず、そこから一念発起してオムライス屋をオープンしたマスター(なぜカレーじゃなくてオムライス?)。そして「安くて量があってそこそこ美味しい」と近隣の学生の間で話題になり、次第に人気に火がついて様々な客層が訪れる人気店になったそうだ。そして、外国人のお客さんにはトッピング一品無料としているそうで、それはマスターなりの恩返しのつもりらしい。そうやって30年、この店を営業し続けてきたそうだ。いい話じゃないか。

「壁には店に来てくれた外国人のお客さんと私のツーショット写真を飾っています。また、その方の母国の国旗を万国旗にして天井に飾っています。まだ全世界の国の人には恩返しできていませんが、いつか天井を世界中の国の国旗でいっぱいにするのが夢です」と語ってくれた。

壁を見ると、確かにマスターと外国人と思われる人のツーショットのポラロイド写真がある。その数、なんと3枚。えっ、3枚?

万国旗もアメリカ、ブラジル、ベトナムの3ヵ国分の国旗しかない。すっくねー。30年営業してて外国人3人しか来てないの?思った。もっと恩返しの間口を広げた方が良いのでは…?と言おうかと思ったが、兄が何かを制するようにじっと私を見つめて頷いた。うむ、了解した。

さらにさらによく見ると、写真の外国人のうち一人は見覚えがあった。弊社の先輩である。先輩は地黒なのできっと外国人と間違われたのであろう。もちろん純日本人である。こう言っては悪いがなかなかセコい人物なので、トッピング無料に釣られて終始外国人のフリをしていたのだと容易に想像できる。これは多分マスターに言わない方がいいかな…。ちなみにこの先輩は実在しない。

マスターは全世界の国の人に!と意気込んでいたがこのペースでは到底無理である。ポラロイドに恐らく来店日時と思われる日付が書き込んであるが、最後の日付はアロハシャツを着た先輩が写っている5年前である。30年で実質2ヵ国。あと190ヵ国あまり残っている。マスターはいったい何歳までオムライス屋を営業するつもりなんだろうか?

とはいえオムライスは普通に美味しかった。「そういえば仕事は?」と兄に聞かれたが、今日は休みになったとだけ伝えて家に帰った。

覚えているのはここまで。新年早々、なかなか面白い夢を見た。