【夢日記】団地の夢

私は役所に勤務していて、とある公営団地に関する業務を行うことになった。前の担当者がしてくれた説明は次のようなものだ。

  • その団地は5棟からなっている。
  • 各棟ごとに巨大な池のようなものがある。
  • その池は海から専用の水路を団地の敷地内に引いており、さらにそれを5つに分けている。
  • 住民はその池から自由に魚を獲って食べることができる。
  • 自分が住んでいる棟に割り当てられている池からしか魚を獲ることができない。それどころか、住民は他の棟へ立ち入りできない。他の棟の住民との交流も一切ない。
  • それぞれの棟は各自、他の棟よりも優遇されている箇所がある。A棟の住民は他の棟と比べて異常に家賃が安い、B棟の住民は医療費が無料など。ただし、住民自身は優遇されているということを知らされておらず(そういうものだと思っている)、他の棟がどのような条件の住まいなのかを知らない。
  • 役所の人間は各棟がどのような優遇を受けているかを知っているが、住民にそれを話してはいけない決まりになっている。

私に与えられた最初の業務は、C棟に住むある一家と一週間ほど一緒に暮らして現地の生活感などを調査することだった。4人家族で、父母と男の子ふたりの兄弟という家族構成だった。母親はスーパーに勤務し、父親は昼に池へ魚を獲りに行くというスタイルで生活をしていた。

C棟の住民に実施されている優遇は、池だった。実は団地のそれぞれの池は以前は直接海から引かれており魚も海のものだったが、行政の予算の都合で釣り堀のような独立した池へと変更されている。だが、C棟だけはそのまま海から引かれたままになっている。C棟の住民は新鮮でおいしい魚を食べることができたが、他の棟は週に1~2度業者が魚を池に投入しているのだった。私は、新鮮な魚を食べられているC棟の住民が他の住民より明らかに健康だった場合、予算を編成して他の棟も海から引くようにし、C棟には別の優遇を与えるよう案を出すという一連の任務が与えられた。

私が生活を共にすることになった家族はすこぶる健康だった。C棟の他の住民も健康だった。誰も風邪ひとつ引いていない。私は役人だったので他の棟にも出入りできるが、他の棟の住民はやつれていたり極端に肥満体だったりと、C棟の住民と比べれば明らかに不健康な印象だった。これが池の質が原因と断定できるものではないが、他の棟にも海から水を引くように案をまとめていった。

宿泊する最後の日、けたたましい音の緊急アラートが鳴った。大地震がくるというものだった。結果的に誤報だったが、各棟の住民はそれぞれの屋上へ避難していた。屋上はヘリポートになっており、非常時意外は立ち入り禁止だが非常時は屋上へ避難するという要領になっていた。私は各棟の様子を見に行った。

A棟へ行った時だった。屋上には全住民が避難していた。そこで、ある住民が下を見下ろしながら「池に海が繋がってるの、C棟だけじゃないか?」と言い出した。他の住民も池を見下ろしてそれを認めると、またたくまに大きな騒ぎになった。同様の騒ぎがB、D、E棟でも発生しているらしく、不満に思った各棟の住民がC棟へ押しかけてきた。それぞれC棟より優遇されている部分があるとは知らずに大きく騒ぎ立てている。どうも、海の魚などを独占するために他の棟への水路をふさいだと思われているようだ。C棟の住民は「知らない、私たちは何もやっていない」の一点張りだが(ふさいだのは役所なのでそれは事実である)、他の住民は納得していない。役人である私に「どういうことだ!」と詰めかける住民もいたが、優遇しているということを言う訳にはいかず私は何も言えないでいた。

とうとう住民Cがはずみで殴られてしまった。それをきっかけに大喧嘩となり、私は至急応援を呼んだ。一晩中暴動は続いた。結果としてC棟から数十名の死傷者が出た。

後日、海は各棟へ引かれるようになった。C棟へは代わりの優遇として銃器等の武装が許可されることとなった。

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