【夢日記】裁判に出廷して引っ越す夢

今の実家と、今の実家に引っ越す前に住んでいたマンションと、祖母の家との3つを合わせたような建物に家族と住んでいた。今と同じ仕事をしながら副業で小説や詩を書いていた。家族が全員喪服のような格好に着替えていた。何か法事でもあるのかと問うと、これから裁判があるという。母親は話しづらそうに続けた。私が数か月前に独居老人を殺害したとされる事件の刑事裁判とのことだ。当然そんな記憶はない。それはそうだと母親は言う。私はあまりのショックで、そのことを無意識に忘れてしまっていたらしい。

その裁判にはもちろん私も出廷しなければならないが、いかんせん記憶がないので何を述べればいいのかもわからない。狼狽えている私のところに弁護士がやってきた。家族が雇ってくれていたらしい。弁護士が次のようなアドバイスをする。

  • 法廷で、B’zの『OCEAN』の歌詞を暗唱する
  • オリジナルの楽曲を作り、その歌詞を暗唱する

私はなるほどと思った。OCEANなら何度も何度も何度も聴いているので歌詞くらい余裕で暗唱できる。

私を置いて家族は車に乗り込んでいた。私が最後に家を出ることになった。外へ出て戸締りをすると、部屋の明かりが点いている。消し忘れたと思い中に入ると、電気は消えていた。見間違えたかなと思って再度外へ出ると、今度はまた明かりが点いている。父親が「遅いぞー」と様子を見に来るが、不思議とそのタイミングで電気が消えた。

そのまま車に乗り込んで裁判所へ向かった。裁判所に入ると入口の職員が「これから裁判ですかー。がんばってね」とキットカットをくれた。裁判が始まると私は真っ先にOCEANの歌詞を暗唱した。サビに入る前に裁判長が静粛にとたしなめてくる。えっ。弁護士の方を見ると「はぁ?」みたいな目で見ている。はぁ?こっちがはぁ?

検察側が「今回は被告人が否認しており、証拠も不十分のため求刑内容は特にありません。以上」と言った。えっじゃあなんで裁判開いたの?暇なの?解散解散!って感じで私を含めて裁判長とか弁護士とか家族とかがそろって「はぁ?」という顔をしていた。結局そのまま閉廷して帰った。

帰り道、父が運転する車で「無罪だったとはいえ裁判にはなったし、この狭い田舎だと噂とか広まって住みにくくなるから引っ越そう」と言った。結局実家には戻らずそのまま新居へ向かう。

車で1時間ほど移動した先に新居があった。「このあたりは土壁だからねぇ」と母親が言った。家の壁が土でできているのではなく、この辺りの住民は土を捏ねて作った壁を押し倒して泥まみれになりながら入浴するという文化があるのだそうだ。夢の中の私はそういう文化があることを知識として知っていた。と同時に、そういう文化が現代的ではないとして一部偏見が向けられており社会問題にもなっていることも知っていた。新居は実家と同じような見た目だった。間取りも同じだった。というか家具などもそっくり同じ通り配置されている。周りはぬかるんだ水たまりのようになっており、正直不衛生だなと思った。これで体を洗っているのは、そういう文化としては尊重するけど自分は正直やりたくないなぁ…と思ったが、新しく引っ越してきた者は現地の文化に従わなかったらそれこそ村八分だと兄が言い出して、いやいや土壁をすることになった。

近所に住んでいるという子どもたちが現れた。皆全裸だ。日常的に土壁をするため、基本的に子どもは全裸らしい。子どもたちに案内されたのは集落の一番奥で、ひときわ粘度の高い泥沼のような場所だった。そこにダイブして全身に泥を塗りたくるそうだ。この泥は地域の全住宅の排水が流れ込んでくるらしい。不衛生どころの話ではない。私はどうしてもやりたくないと逃げ出した。家族のもとへ向かうと、父と母がそれぞれ赤い鳥を抱えている。羽毛というより人間の体毛に近い赤毛で覆われている。どうもこれは地域住民からもらった引っ越し祝いらしい。そのうち一羽の顔を覗き込むと、叔母の顔によく似ていた。人面鳥とでも言うべきか、まさに人間の顔そのものだった。

「母さん見てよこの鳥、叔母さんにそっくりだよ」と言うと、母は「えー?」と訝しんだ。夢の中では母と叔母は少し不仲といことになっている。母が鳥の顔を覗くと、「あっはっは、ほんとにそっくり。そしてすごいしゃくれてる!!」と笑い出した。そんなにしゃくれてたかなと私ももう一度鳥の顔を見ると、確かにしゃくれていた。