DHCの「ヤケクソくじについて」について

以下のページについて雑感。

ヤケクソくじについて

上記ページはかなり毒のある文体であり、個人的にこういう文章は嫌いじゃないものの、いち企業の声明としてはアカンだろうなぁと思いました。

内容はなかなかひどいと思います。ひどいと思ったところを抜粋しようと思います。

ちなみに一読して「これはひどい」と思ったモチベーションそのままで以下の文章を書いています。かなりバイアスが入っていると思うので、よかったら冒頭のリンクで紹介している原文をご一読いただいて、ニュートラルな状態から以下の文章を見ていただければと思います。

関係ないですが原文は画像になっており、文字起こしが面倒くさいことこの上ない。

浅薄な学識をもって「ヤケクソとはいかにも汚らわしいい」と短絡的に思う人は多いようです。

そもそも「クソ」という文字列が含まれているので汚らわしいと思う人はそれなりにいると思われますが、それは浅薄な学識と何か関係があるのでしょうか?

DHC社の事業内容は「化粧品事業」「健康食品事業」「食品事業」などがあるようですが、それらのブランドイメージと「クソ」という文字列が含まれるキャンペーン名を重ね合わせて「汚らわしい」と思うような人は、私個人の感覚では結構多そうだぁと思いますが、本当に学識が浅薄なのでしょうか?こういう考え方は短絡的ですか?

消費者の一部ははっきり言ってバカですから、値段が高ければそれだけ中身もいいのではないかと思ってせっせと買っているようです。

もちろん私も含めて消費者にバカもいるかと思いますが、会社のいちコンテンツとしてこういう声明を出すのはどうかと思います。

DHC社なら500円で売れるものを5000円で販売している他社があるのだとしたら、その他社の方が戦略的には優秀なだけだと思います。問題があるとしたらDHC社の販売戦略、マーケティング力ではないでしょうか。

WEBサイトでサントリー社のサプリDHC社のサプリを比較してみました。

サプリの商品ページ自体、おそらくどの企業のものでも細かい字で注釈がダラダラ書いてあり見にくいと個人的には思いますが、違いを書いてみます。

サントリー社の方はどういう人にオススメか、どういう効能があるかが分かりやすく記載されています。

一方、DHC社の方は配合量などには自信を持っているのでしょう、わざわざ表を用意して記載されていますね。また、似たような名前のサプリはどういう違いがあるのかが記載されており、その情報を知りたい人にとってはありがたいのだと思います。

これは結局、企業が商品の何を重視しているかのポリシーの違いというだけの話ではないでしょうか。そしてユーザーの大多数が求めるものと合致している方がよく売れるでしょう。

そしてバカだから値段が高ければ中身もいいと思って買っているのだろうと書かれていますが、もちろんそういう消費者もいるでしょうが、ふつうは色々な評価軸が人それぞれにありますよね。

たとえばノートPCでいうと、どちらも同じスペックのPCでA社は5万円、B社は10万円。中身だけを見ればA社の方が安いですが、外観のデザイン、キー配列、ポートの種類や数など色々な点を考慮し、これならB社の方が5万円多く払ってでも価値があると判断できればB社の方を買うでしょう。

実際には他にもC社D社…といくつもの製品を綿密に比較して、その中から納得できる製品をチョイスして購入する訳ですよ。

そりゃ値段だけ見れば似たようなスペックでA社が一番安いかもしれませんが、消費者はそれぞれのポリシーや評価軸で他社製品を選ぶ訳です。それを、「バカだから高いのがいいと思ったんだろう」とか勘違いも甚だしいと思います。他社製品の方が(その消費者にとって)優れていると感じられたからという場合の方が、少なくとも私個人のケースでは圧倒的に多いですよ。

中身なんて見ないで値段が安い方を買う人もいると思います。でも「よく調べもしないで安いものを買う」のも「よく調べもしないで高いものを買う」のもその消費者各々の自由であって、その行動をバカとか言うのは違うと個人的には思います。

そうやって他社製品のいいところ(商品ページの情報量や種類、購買層のリサーチ力、プロモーション力などを含む)を評価せずに「うちの製品が売れないのはバカな消費者がいるから」って、まぁそう思うのは自由ですがちょっと想像力が足りないんじゃないですかね?

ただし彼らの多くは「サプリを飲むのならDHCが一番」と言ってくれているようです

ここは伝聞の形で記載してあるのでツッコミを入れるのは野暮な気がしますが、矢野経済研究所社という具体名でサントリー社の実績が紹介されているのに、DHC社は「医者の多くが、DHCが良いと言ってくれているらしい」って対比として弱すぎません?

そういう医者が本当に実在するかすら我々には確かめるすべがありません。エビデンスが皆無です。なんら具体性がないですし、これなら書かない方がマシなのでは…と個人的には思いました。

なんか日本医師会みたいなところが「推奨サプリはDHC社のものです」とか言っていて、それを記載するなら別ですが。

すべての面でこれほど良心的に誠意をもって

相応しくないと思われるキャンペーン名をつけたり、消費者の一部をバカと断じるようなスタイルがすべての面で良心的だとはとても思えません。

なぜ消費者はわかってくれないのか

相応しくないと思われるキャンペーン名をつけたり、消費者の一部をバカと断じるようなスタイルが見透かされているのかもしれませんね。

そして、最後の段落が地雷を踏み抜いたなと思ったところですが、

サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。

これ何か関係あります?どうでもよくないですか?

どういうタレントを起用するかなんて、はっきり言ってその企業のマーケティング戦略なんですよ。

だってスポーツ用具のメーカーもCMにはスポーツ選手を起用したりするじゃないですか。もっと一般人を起用しろ!なんてふつうは思わないと思いますがいかがでしょうか。

もっと噛み砕いて言うと、その商品やCMの内容にふさわしいと思えるような人材を起用しますよね。当り前じゃないですか。

中には、起用される人の属性が重なることもあるでしょう。ブランディングのため、あえて同じような属性の人を起用し続けることもあるでしょう。そういう戦略じゃないですか。何かダメなんですか?出演されている方にもすごく失礼だと思います。

DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本企業です。

やや邪推かもしれませんが、しかし文章の前後関係を見ると「CMに日本人を起用しているからうちはいいでしょ」と主張しているように読めます。もしそういう意図があるのだとしたら、個人的には大きな間違いだと思います。

上にも書きましたが、その企業のマーケティング戦略と一致したタレントをふつうは起用するはずですし、それ自体には日本人だからどうこうの優劣はないですよね。A社のCMにはXさんが相応しかった、B社のCMにはYさんが相応しかった、それだけの話だと思います。

と、とりあえず気になったところをピックアップしてみました。

一方同意できる箇所もあります。以下。

商品の見栄えをよくするために有名タレントを次々と多用して、そちらに多額のお金を湯水のように使っている会社よりは、よほど良心的だと思いませんか。

これは私も常々思っていたところではあります。CMに有名なタレントを起用したらその出演料は最終的に回収しなければなりませんから、商品などの代金に上乗せされます。最終的に消費者にシワ寄せが来るわけですね。まぁこれはちょっと私も気に入らないところではあります。

まぁその辺のバランスを考慮して良いものを適正な価格で市場に出し、最終的に消費者を獲得して利益出してる方がビジネス的には偉いと思いますが、個人的な考えとしてはこの点はこの主張に同意します。