「100日間生きたワニ」って意味変わっとるやんけ

映画化

ワニ役は神木隆之介、ネズミ役は中村倫也! 映画『100日間生きたワニ』5・28公開

上記の記事を読みました。

「100日後に死ぬワニ」(以下100ワニ)は昨年Twitterで100日間連続で公開され話題になった作品ですが、最終話公開直後に商業化情報がどばっと発表されてしまい大炎上した作品です。

せっかくなので100ワニ炎上について個人的に思うことと、映画について思うことを色々書いていこうと思います。

炎上について

私は作者のきくちゆうき氏が対価を受け取ったり商業化の方向へ進むこと自体は、いちクリエーターという立場からしても正しくそうあるべきだと思いますが、何にせよタイミングが悪かったと思います。

「ワニが本当に死ぬのか」「どのような死を迎えるのか」と作品に向き合ってきた読者からすれば、いよいよ本当にワニが死んだという結末の余韻を味わう間もなく立て続けに金の臭いがしてきたら、そりゃ嫌になる人もいるでしょう。私も正直、「マネタイズはわかるけど今かよ…」と思いました。

中には本当に「マネタイズ自体嫌」「結局金かよ」と思われる人もいらっしゃるかと思います。別にそれ自体が取り立てておかしな反応という訳ではないと思いますが、私は個人的にマネタイズ自体には賛成なのでその考え方には与しません。

もっと言えば「100ワニ 追悼POP UP SHOP」みたいな悪趣味な展開を公式側がして来たのが、個人的には本当に気持ち悪いと感じました。そもそも100ワニのワニ自体、初めから死ぬために創作されたキャラクターみたいな悲惨さがあるのですが、予定通りとはいえ物語上死んだ結果それを金儲けに使われるってなんか変な感じがします。創作物に対して不謹慎とかは言いたくはないですが、なんか道徳観というか人の心が感じられないような印象が個人的にはありました。

ちなみにワニは電通とは関係ないと作者のきくちゆうき氏が名言していらっしゃいます。まぁ私も正直電通にあまり良いイメージはありませんが、想像だけであることないこと叩くのは自分の格を下げるだけなのでやめた方がいいと個人的には思います。

映画について

なんかすごく野暮かもしれないんですけど、タイトルが「100日間生きたワニ」になるそうですね。すごく野暮なことを言うようですが、「100日後に死ぬワニ」と「100日間生きたワニ」ってかなりニュアンスが違うと思うのですが。

「100日後に死ぬワニ」は、ある時点から100日後に死ぬまでのワニを描くということが伝わります。

「100日間生きたワニ」って、なんか生まれてから100日で死んだワニのようなニュアンスになりませんか?え、生きたのは100日間だけなの?って思ってしまいます。なんかたまに、「天国の〇〇へ~いっしょにすごした〇日間~」みたいなタイトルで、お子さんとか仔猫とか仔犬が生まれて旅立った記録をまとめている本とかブログとかがありますが、ああいう感じになるんですかね?すごくニュアンス変わりません?というわワニって寿命100年とかあるのに、100日で死んだの…といかんいかん、なんか色々横道に逸れてツッコミを入れたくなってしまう。

タイトルを変えた理由は記事内には詳しく書かれていませんでした。なんとなくですが、「死」という言葉が映画というプラットフォームでは重かったから、「死」という言葉を使わないように表現を変えたのだと予想します。そうだとしたら、そのギャップがある意味原作の良さでありますし、何より解釈が変わるような改題はどうかと思うのですがいかがでしょうか。

さて、個人的にはあまり監督が誰とかキャストが誰とかは今回の作品に関しては興味ないのですが(見る予定がないので)、これを見た人が100ワニに対して良い印象を持ち直したり、あるいは商業的に成功したりするといいですね。と思います。

個人的には100ワニの連載終了後のショップ展開とかがこけたのってCOVID-19の影響もあるかとは思いますが、隠せないお金の臭いとかプロモーションの強引さみたいなのがあると思いますので、その辺をどうやって大衆受けするようにするかだと思います。

先ほど見る予定はないと書きましたが、

その100日間のワニの日常と、そこから100日後、大切なものを失った仲間たちのその後の姿を描いたアニメーション映画

とありますので、本編では味わえなかったワニの死後の余韻みたいなのが感じられるならもしかしたら見るかもしれません。ご時世的に劇場には行きたくないのでどうなるかは分かりませんが。