そうとしか解釈できない日本語を使いたい
自戒の意味でも記事にしてみます。
私は日本人ですが、日本語って本当に難しいと思います。なんというか、色んな解釈の余地が生まれて上手く伝わらないみたいなケースがあると思うんですよね。
少し前にTwitterで見たのがこちら。
こんばんは。「頭が赤い魚を食べる猫」の考案者です。最近「頭が赤い魚を食べる猫」を再びツイッター上で話題で話題にしていただけているようなので、再掲しておきますね。 pic.twitter.com/hZLOBMOtW3
— 中村明裕 (@nakamurakihiro) February 21, 2020
「頭が赤い魚を食べる猫」という言葉でも、上記のように色々な解釈ができますね。
似たような例はいくつか思いつきますが、たとえば以下は簡単な文ですが、どうでしょう。
自転車で移動販売している店に行った
これは「『自転車で移動販売している店』に行った」とも「『移動販売している店』に自転車で行った」とも解釈できると思います。
これが口頭で話しているのであればイントネーションで意味を伝えやすいと思いますが、文字として読む時はなかなか正確に解釈するのが難しいと思います。
もし前者であれば「移動販売を自転車でしている店に行った」、後者であれば「移動販売している店に自転車で行った」と書けば、それ以外の解釈のしようがありません。
まぁ上記のようなことは文脈である程度意味が分かることもあるでしょう。しかし問題は仕事での話なんですよね。
仕事でもこのように、何通りか解釈できるようなメールやメッセージが送られてくることがあります。そしてその度に、「ほげほげという意味ですか、それともふがふがという意味ですか?」のように聞き直さないといけません。何故なら誤った解釈のまま仕事するわけにはいかないからです。
それで「紛らわしくてすみません、ほげほげという意味です」みたいに答えてくれるならまだ良いのですが、「常識的に考えてほげほげに決まってるでしょう」みたいに言われる時があるんですよね。いや、あんたの常識を一般化せんでくれ、それで分からんから聞いてるんじゃん、不機嫌になるなら初めから「そうとしか解釈できない日本語」を正しく使ってくれよ…と思います。
これ、やり取りすることもそうですが、前述した通り文脈をよく読めばわかるケースもあるので、よく読むという行為にも神経を使うんですよね。初めからそうとしか解釈できないように書かれていた方が絶対気持ちよく仕事できるって。
まぁ私も人のこと言えないかもしれませんし。できるだけ気を付けているつもりですが、曖昧な表現になっていることがあるかもしれません。でも、自分で意識するのとしないのとでは全然違うと思うんですよね。頭の体操にもなりますし。
そういえば昔、仲間由紀恵さんと阿部寛さんが主演を務められたTRICKというドラマでも以下のようなやり取りがありました。
あなたのお母さまは亡くなっていませんね?
記憶が曖昧なのでどのシリーズか忘れましたし、細部も違うかもしれませんが、上記のような言葉だったと思います。
これは、「あなたのお母さまは亡くなってなどいないですよね(つまり、ご存命ですよね)」とも「あなたのお母さまは亡くなっておりこの世にはいませんね」とも解釈できます。
これは確か占い詐欺の人の言葉だったと思うのですが、それを質問された人は上記から都合の良い方を解釈し、YESと答える訳ですね。なので、その占い師は「よく当たる」という評判だったと思います。曖昧な日本語というのはこのように面白い部分もあるのですが、でも仕事では正確に書いてほしいなぁと思っています。というお話でした。
そうとしか解釈できない日本語にするコツとして、適度に読点を置くというのが挙げられると思います。たとえば
- 自転車で、移動販売している店に行った
- 自転車で移動販売している店に、行った
では意味が違うと思います。読点の力は大きいですね。
ただ読点を多用しすぎると長ったらしい文章になりますし、個人的にはあまり良くない印象も感じることもあります1。適度に文を区切って独立させ、補助的に読点を用いるとかが良いのかなと思います。
- 偏見ですが、ぶっちゃけ「この人ちょっとヤバい人なのかな…」と思うことがあります。 ↩