【夢日記】ニンジンと竹のオバケ

ニンジンと竹のオバケ

イラストの講座の動画を見ていた。イラストレーターのSさんがYouTubeで公開している動画だ。動画の内容は「背景の簡単な描き方」という内容で、これも実際に何度か繰り返し視聴している動画だった。でも夢の中ではその動画の内容は全然違った。

背景講座のためにうさ耳のキャラクターが用意されていた。そのキャラクターに似合う背景を数案提示して、実際に動画内で描いていくという内容だった。初めに、そのキャラクターのモチーフとしてニンジンをデフォルメした小さいイラストを散りばめてみるという手法が紹介された。うんうん、と思いながら見続けていると画面からS先生が実体化して出てきた。平面だったニンジンのデフォルメイラストもぷくぷくと立体化し、クッションのようなものになっていった。そしてそのニンジンに手足が生え顔が浮き出てきた手足はパーカーの紐のようにだらんとしているが、一応床に立っている。そのニンジンのオバケみたいなのが2匹。いつの間にか実体化したS先生はいなくなっていた。

しばらく様子を見ていると、突如ニンジンオバケが襲ってきた。細い手の先から鋭い爪がぐぐぐっと伸びて切り裂こうとしてくる。私はかがんで避けるとそのまま外まで走って逃げた。家の近くの大きな道路まで出たところで、今度は竹のオバケみたいなのと遭遇した。作務衣を着ておりいくつかの竹が束になっている。脚は箒のようになっている。

その竹も私を襲ってきた。避けようとするも間に合わず覚悟を決めたところで、後ろから斧を持った大男が現れ「しゃがめ!」と叫んだ。私はしゃがむというより後ろに倒れ込むと、ちょうど私の頭があったすれすれのところを通るように斧の軌道が見え、そのまま竹のオバケの腹部に叩きつけられた。竹のオバケが倒れ込むと、大男が斧を大きく振りかぶって、さらに竹のオバケの腹部をなんども叩き切る。すると竹が両断された。真っ二つの竹がそれぞれまた竹のオバケになった。大きさは半分ほどになっているが2体に増えてしまった。

シーンが変わって、私は廃校のようなところにいる。現実には存在しないが妹と一緒にいた。6歳くらいだろうか。おかっぱの女の子だった。私は竹のオバケとニンジンのオバケから逃れるため、階段に座り身を小さくして隠れていた。あのオバケは3階より上には上がってこれないこと、夜が明ければ元のニンジンと竹の姿に戻ることを何故か知っていた。だから一晩、せめて妹だけは守ろうと思っていたのだった。大男はいなかったが、その時は大男のことは完全に意識から除いていた。

妹は何も怖がる様子はなく、むしろいつもと違う遊びをしているような感覚だったのだろう。大声ではしゃごうとする。その度に私は「シーッ。しずかにして」となだめているが、何せ好奇心旺盛な女の子だ。うす暗い廊下を怖がりもせず進んでいこうとする。私はニンジンや竹以外にもオバケがいるかもしれないと思っており、何もせずじっとしているのが安全だとは思っていたものの、今の状況を6歳の女の子に言い聞かせて従わせるのは難しいと判断した。このまま強引にじっとさせていてもそのうちしびれを切らして泣きわめくかもしれない。そっちの方がよほど危険だと判断し、慎重に場所を移動することにした。

何かがいる気配はない、大丈夫だと心の中で自分に言い聞かせて、妹の手をしっかりと握りながら進んでいく。途中で何か黒くて早い影のようなものが私と妹を追い越していった気がした。一瞬のことだったし気のせいかもしれない。私は妹の顔を見ようと覗き込むと、そこに妹はいなかった。妹の手を握っていたはずが、いつの間にか小ぶりな竹筒を握っていた。慌てて影が進んでいった方に向かうと、妹が倒れ込んで泣いていた。見ると妹の右手の中指の第二関節辺りが逆方向にぽっきりと折れており、ちょうど折れている箇所から何かの繊維のようなものがびっしりと生えていた。ちょうど竹製の割りばしをぼきりと折った時の、あの繊維のようだった。

このあたりで私は、ああこれは夢だなぁ・・・とぼんやり気づいて一旦起きた。この続きも面白そうだからまとめて夢日記を書こうと思っていたが、朝になってみると覚えているのはここまでだった。