デュアルモニターとウルトラワイドモニターを比較して、メリット・デメリットを分析した

まずは余談。作業部屋への環境の移行が遅々として進んでいないのですが、単純にデスク環境をどうしようかなという悩みがあったります。まぁそれ以外にも荷物の移動とかが結構大変で、日々少しずつやってたりするのですが…。

PCはデスクトップPCを用意する予定です。今の部屋だとスペースの問題と契約アンペア数が少なく、その関係でデスクトップPCを運用するのは難しかったのですが、新居もとい作業部屋ではその辺の問題が解消されます。

どうしてもデスクトップPCではないとできない作業ということをしている訳ではありませんが、やはりある程度マシンパワーがほしいのとゲームもいくつかしたいのがあるので、デスクトップという選択になりました。PCはパーツ交換とかはしたことがありますが一から組んだことがないので、それもちょっとやりたかったりします。ある程度場所をとっても良いので、ミニマルな構成ではなくAll in One的なパワフルな構成にしたいですね。外観は重視しますが。

PCに関してはそれとは別にM1 iMacのイエローを購入しようかなと思っています。実はmacOS自体は触ったことがないので良いきっかけになるかな、趣味のプログラミングでも使いたいなと思っている感じです。一応メインはWindowsを触る予定ですが、まぁ最悪使わなくなっても本体のデザインとイエローの感じが好きなので、高級インテリアとしてデスクに置いておこうと思います。や、ちゃんと使いますよ?多分。ちなみに買うとしたらスタンド版ではなくVESAマウント版を買います。モニターアームが好きなので。

で、メインはWindows+Macで運用しつつ、サブPCとして今使っているノートPCとSurface Pro7を運用、みたいな感じにします。最近はMacBookやMac miniのハードウェア的なデザインも結構好きになってきたので、余裕があれば買ってみたいですね。他にもNECのT11というAndroidタブレットとか、Chromebookも買いたいのですがそれはもう少し置いておいて。

で、ここからが本題。今回はモニターの話です。

モニターに関しては以前の記事で、DELLのU2720Q(M)をPC用に2枚買うと思うと表明しました。

が、あれから少し考えが変わりました。

U2720Qにしようと思っていた理由は、

  • 画面解像度が4K(3840 * 2160)
  • VESA対応
  • ベゼルが狭い

あたりだったのに加えて、USBハブとしても使える、というあたりが良いと思ったんですよね。で、4Kから200%にスケーリングして、フルHD相当の画面解像度で文字をくっきりさせて運用しようと思っていました。で、電子書籍(薄かったり厚かったり)をPCで読む際は縦置きにして、余白の少ない形で読むことで没入感が得られるだろうと思っていました。

ただ、この運用には問題がありまして、

  1. デスクは奥行が80~90cmのものを買う想定なので、単純に縦置きにしたり横置きにしたりするのがめんどい
  2. 縦置きにしたり横置きにしたりすると、ケーブルがダラーンと垂れ下がることが想定される
  3. 作業領域が狭い。1920 * 1020 * 2で足りない
  4. 単純にケーブルが増えるのが嫌
  5. 4K200%のくっきりフルHD試してみたけど体感ではそんなに読みやすくならなかった
  6. Windowsのみを表示する想定だが、今後Macが気に入った時にMacからケーブル2本通すのが面倒

あたりが引っ掛かりました。特に引っ掛かったのは作業領域です。フルHD2枚分というのは正直言って足りません。私の場合、ブラウザ、エディタ、slack、Twitterなどは、その時やっている作業(プログラミング/ブログ執筆/イラスト制作/動画視聴/動画編集/ゲーム)に関係なく常に表示しておきたいです。それらのマストアプリをストレスなく表示しようと思ったら、上手くやりくりしても確実にフルHDを越えてきます。残りのスペースで本来の作業をするのはハッキリと言って無理です。

あと、4Kモニターを200%スケーリングして試してみましたが、あまり読みやすくは感じませんでした。一応WQHD相当へのスケーリングもしてみましたが、これも少しぼやけているように感じました。だったら初めからWQHDを2枚、ドットバイドット(スケーリング100%)で運用した方がいいと思いました。

次に、モニターは現時点ではWindowsにのみ使用する想定ですが、もしiMacでの作業が気に入り、そちらをメインにしようと思った時に、2枚のモニターにそれぞれiMacからケーブルを通すのは面倒だと思いました。デイジーチェーンであればまだ別なのですが…。

ちなみにデイジーチェーンとは、PCから複数のモニターに接続する時に、モニターどうしを直列的につなぐ方法です。

デイジーチェーン

ディスプレイにThunderboltポートが搭載されている場合は、1台のディスプレイを別のディスプレイに接続してから、どちらかのディスプレイをMacのThunderboltポートに接続できます。Thunderboltポートを2つ搭載しているMacでは、それぞれのディスプレイをMacの別々のThunderboltポートに接続することができます。DisplayPort装置は、Thunderbolt装置のデイジーチェーンの最後に接続する必要があります。
from Macで複数のディスプレイを使う|Apple

上記の通り、Macもいつの間にかデイジーチェーン対応しているっぽいので(以前は出来なかったと記憶しています)、デイジーチェーンに対応しているモニターであればまだ楽なのですが、モニター側がThunderboltをサポートしている必要があります。これが大変ネックです。パッと探した感じ、BenQのPD3220Uという、15万円のクソ高いモニターしかありません。

このモニターは31.5インチです。31.5インチ程度では4Kだと視力検査レベルになると思うので、スケーリング100%での使用は難しいでしょう。そもそもこれは横幅が70cmを超えてきます。これをデスクに2枚並べるとかなり場所を取りますね。Macのデイジーチェーン対応といっても、iMacに加えてこれを2枚横並びで併用するのは厳しそうです。私は一応かなり大きめのデスク(2400 * 900mmくらい)を用意するつもりであり、場所の問題はクリアできますが、そもそも単純に値段が高いのに加えて私がBenQ製品を使ったことがないのでちょっと不安というのもあり、これを2枚用意するのは勇気がいります。悪い製品ではないとは思いますが。

で、モニター2枚でこれらのもろもろの問題というか課題を解決するのは無理だと思いました。そもそも24インチ4Kモニター自体が少なすぎて妥協して27インチモニターを使う訳ですが、そこを妥協してもこういう不満点を抱えたまま運用していると後々「もっと良い選択肢があったのではないか…」と思えることでしょう。作業中にもしそんなことが脳裏によぎれば集中力が下がって成果物の質も悪くなると思うので、ちょっと一旦4Kモニター複数枚での作業は思考から追い出そうと思いました。

そこで次に考慮に入れたのがウルトラワイドモニターです。21:9とか32:9のものがありますが、今回はDELLの49インチの32:9モニター、「U4919DW」が良いのではないかと思いました。

この製品のウリはなんといっても圧倒的な作業スペースです。画面解像度は5120 * 1440で、WQHDモニターを単純に横に2枚並べたのと同等の広さです。ウルトラワイドモニターは横縦比が21:9のものもあるのですが、私の用途だと画面を左右にに分割して、さらにそれぞれをいくつかのパーティションに区切ることが多いので、21:9のモニターだと左右分割した時の比率が10.5:9になります。これだと殆ど正方形となり、今の主流モニターの16:9の横縦比をキープできません。もちろん作業に支障はないかもしれませんが、なんかムズムズしそうな気がします。32:9のモニターであれば、左右分割しても16:9のスペースが2つできるので違和感なく作業ができます。

このモニターは縦が1440pxあるのも見逃せません。さすがにフルHD縦置きの1920pxにはかないませんが、通常のフルHDの1080pxよりは圧倒的に利便性が高いと思います。たとえばWEBブラウジングやExcelを表示している時などは便利でしょう。

ウルトラワイドにすることによって、中央のベゼルが物理的に無くなるというのも見逃せないです。私がPCモニターにおいて狭いベゼルに異様にこだわるのは、ベゼルがあることによって没入感が損なわれるからです。デュアルモニターの場合は2つのモニターの境界となるベゼルがありますが、ウルトラワイドモニターにすればベゼルがなくなります。これは素晴らしいと思います。

一方、デュアルモニターではなくウルトラワイドを使う場合にデメリットとなることもいくつかあります。

  1. 場所を取るので、デスク上のレイアウトの自由度が下がる
  2. 壊れた時にモニターが一切使えなくなる
  3. タスクバーなど、両端に依存した表示位置が遠くなる
  4. YouTubeなどを全画面表示した時の帯(レターボックス)が邪魔になる
  5. 画面共有の時、相手にアスペクト比16:9で共有できない
  6. 縦置きにして、縦に1920pxみたいな表示ができない
  7. アプリを綺麗に配置するのが面倒
  8. 色味や輝度などを個別に設定できない

とりあえず思いついたのがこのあたりでしょうか。書いていて意外とありましたが、いずれも今回の私のケースだと問題ありません。

1.に関して、まずレイアウトの自由度が下がるというのがあります。デュアルモニターの場合はある程度自由に配置できますが、ウルトラワイドの場合はモノ自体が物理的に大きいため、スペースをかなり取ります。たとえばデュアルモニターでモニターを上下に置くスタックモニターのような構成も、ウルトラワイドではできません。まぁこれに関してはある程度デスクにスペースがあれば些細な問題だと思います。前述した通り私はクソデカデスクを導入する予定なので問題視していません。

2.に関して、壊れた時にモニターが一切使えなくなるという問題。デュアルモニターであれば、片方が壊れてももう片方は動くので、まぁ不便ではあるものの最悪作業はできます。が、ウルトラワイドの場合は修理に出したり交換品を待っている間、作業ができなくなります。これは確かに問題ですが、まぁ私の場合は余っているモニターがいくつかあるので最悪の場合はそれらを引っ張り出して作業自体はできます。ので、まぁいっかと思いました。

次に3.ですが、まず3.に関して私はタスクバーを忌み嫌っているので全然気になりません。Windowsであればタスクバーにピン留めしているアプリはWindows+数字(ピン止めしているアプリが左から数えてN個目)で開けますし、それ以外のアプリもWindows+Rなどから即座に実行できます。タスクバーは不要です。「タスクバーを自動的に非表示にする」をONにしていない理由は、マウスカーソルを下に持って行ったときにタスクバーがピョコピョコ出てきてウザいからです。あとWindowsキーを押した時にもピョコピョコ出てきてウザったいです。

目障りだからタスクバーを非表示するというのに、ことあるごとに出てくるのは意味が分かりません。なおこの問題は、タスクバーを上とか左右に設置しても付きまとうのでもはやどうしようもありません。なので私は嫌々、小さいタスクバーを使うでごまかしています。

4.と5.は一見デメリットといえばデメリットですが、これも回避策はあります。このモニターはPBP(Picture by Picture)という機能があります。これは何かというと、異なる入力系統からの信号ソースを複数同時に受け付けて、それを左右別々に出力するという機能です。本来、右半分にPCを映しながら左半分にゲームを映す、といった用途で使うものだと思います。が、これを1台のPCから2系統出力し、その2系統をPBPモードで1台のモニターで受け取るという運用をしたらどうなるでしょう。PCからは2系統出力しているので、通常のデュアルモニターと変わりません。つまり、左右別々の出力装置として認識されます。物理的には1台のモニターを、仮想的な2台のモニターとして運用できる訳です。当然、全てのモニターのタスクバーを表示するようにしていれば、左半分の左端にWindowsのマーク、右端に時刻が表示されます。右半分の左端にもWindowsのマーク、右端に時刻が表示される訳です。PCからの認識は5120 * 1440のモニター1台ではなく、2560 * 1440のモニターが2台となるので、画面共有する際も左半分だけ、みたいなことができます。フルスクリーンで表示しても、左半分だけにフルスクリーン表示して右半分は自由に使う、ということができます。こういう運用をすればケーブルは1本増えますが、デュアルモニターとの違いもないでしょう。しかもデュアルモニターと違い中央のベゼルはない。素晴らしいですね。こういう運用をする場合は、結局Macからもモニター2枚を通す必要がありますが…。

6.の縦置きにして縦1920pxで使えない、に関しては、まぁ1440pxで十分だと思っています。どうしても「縦に1920pxいるんや…!」となったら余っているモニターを増設すればいいだけの話です。

7.のアプリを綺麗に配置するのが面倒という点に関しては、こういうウルトラワイドモニターはだいたいメーカー謹製のレイアウト用アプリが用意されている他、そもそもWindowsにはPowerToysというツールアセットのFancyZonesというアプリを使えます。これは、予めモニターにレイアウトを割り当てておき、Shiftを押しながらドラッグすると、そのレイアウトにピタっと合わせてくれる、というものです。多分メーカーのソフトも同様の挙動だと思いますが、個人的にはメーカーが独自に作ったソフトを導入するよりは、Microsoftが提供しているPowerToysの方が良い気がします。あと、少々専門的な話になりますが、PowerToysはChocolateyというパッケージ管理ソフトで簡単にインストールやアップデートができるのも楽です。Chocolateyに関しては普段使ってるフリーソフトや拡張機能を紹介すーるぞ!という記事で紹介しているので、良かったら読んでみてください。

8.これに関しては、まぁそいうニーズもあるのかもしれませんが、個人的には全てのモニターで同じような色調整がされており、同じモノは同じように見えるという状態の方が好ましいため、個別に設定できないというのはどうでもいいです。むしろ、個別に設定しなくて良い分楽だと思います。同様のメリットとして、たとえばモニターアームは1台分で済む・電源を1つしか使用しないというのもあると思います。

と、このようにメリット・デメリットについて考慮した結果、「ウルトラワイドモニター、ええやん」と思いました。ので、買うと思います。ただ、どちらにせよ4Kでの映像視聴用にU2720Q(M)は1台購入すると思いますが。4KモニターとしてはU2720Qは優れた製品だと今でも思います。

ちなみに、ウルトラワイドモニターにすることによって、デュアルモニターに比べて視線移動が増えて疲れるというのはあまりないと思っています。ある程度奥行のあるデスク(750mm~)であればそこまで気にならないのではないでしょうか。